horoyoisawaのゴミ箱

いろいろ書きます

フロー状態のデメリットについて

フロー状態についてよく書かれた記事をいくつか読んだ。それらを読んで、まとめて、それらに対する感想を述べる。

 

 

 

https://gotohayato.com/content/468/

 

medium.com

 

qiita.com

 

1番目と3番目はフロー状態に入るために必要な要素を紹介しており、2番目は「どうして働くのか」という一般的な問いに対してフロー状態の観点から自身の考えを述べている。

 

たしかにと納得することが多かった。特に2番目の記事で印象に残った文章を引用したい。

 

会社として、フロー状態になれる仕事と環境さえ用意すれば、マネジメントなんて要らなくなるのではないか。いや、フロー状態につながるような仕事以外はしなくても良いようにすることがマネジメントではないか。

 

全員がフロー状態で働けるような会社。それだけ聞くと、プログラマにとって理想的な環境のように感じる。フロー(集中)状態ではプログラマはある種の全能感を感じ、心は幸福感で満たされる。もちろんフロー状態はプログラマに限った話ではなく、どんな人間に起こり得、そして多幸感が得られる現象だろう。

 

一方で、フロー状態はかならずしも良い状態ではないことを指摘しているのが一つ目の記事だ。そのデメリットの部分を引用する。

 

  • フローになりやすい特定の作業ばかり気持ちよくなってしまい、他の作業へのモチベーションが下がる
  • フローになりやすい比較的単純な(≒ゴールが明確な)作業ばかりを好み、不確実性のある作業を避けてしまう
  • フローが得やすい行動が、必ずしも個人的生活や社会的意義の面で見たときに望ましい行動とはかぎらない

おそらくプログラマであって、ありとあらゆる仕事が楽しいと言える人は存在しないのではないだろうか。レビューであったり、マネジメントであったり、コードを書く以外にこなす必要のある大切なタスクは多い。「それらに対するモチベーションが低下してしまうのではないか」というのが、おそらくここで指摘されている一つ目のデメリットであろう。

 

二つ目は、フロー状態になりたいあまり、不確実な目標をターゲットにした仕事ができなくなるリスクを指摘している。たしかにゴールが分かってあとはコードを書くだけ、計算するだけ、やるだけとなれば結構フロー状態になりやすい感はある。ただ、ここに至るまでには結構苦難というか少なくとも集中と散漫を行き来する必要があり、見通しが立つまで(そしてその後にフロー状態に至るまで)必要なことは多い。不確実な目標を確実な作業に分割したり、不確実な中でも自分の仕事をやり続けることはなかなかにハードだ。そのハードさに耐えるには、フロー(快楽)以外の要素が必要になってくる。

 

三つ目のわかりやすい例として記事内ではゲームが紹介されていたが、個人的な分かりやすい例としてエナジードリンク(特にモンスター)の過剰摂取がある。たしかに、エナジードリンクを飲めば一気に活力が増して生産性が向上したかのような錯覚?を得られるが、一方でその効果が切れたときの反動もまた大きい。鬱感情が増したり、夜に飲むと当たり前だが眠れなくなったりする。最近はほとんど飲まず、コーヒーも一日に三杯程度に抑えている。

 

「フローが得られないけれど大事な活動も人生にはたくさんある」

 

と筆者は綴っているが、僕も全面的に賛成だ。

 

フローには一見すると良い面しかないように思うかもしれないが、上で指摘したような良くない側面もある。薬と同じで個々人で適正な量を把握しておくのがいいのかもしれない。